Hammond A100のレストア 2

やはり50年以上経って細部までメンテしてないとこうなります。掃除機で掃除したところとそうでないところの違いがわかるでしょうか? 

この爪の先にフェルトが付いていますが、この部品をキーコンブと言います。鍵盤をグリサンドしてカチカチと鳴るオルガンはこのキーコンブがへたっています。応急措置としてこのフェルト周りや鍵盤に薄い布のようなものをつけますが、数が多いと大変です。ということで、交換した方がいいのですが、実はもうこのパーツは新品で手に入らない部品の一つです。状態の良い中古手に入れるか、どこかにまだあるかもしれない新品部品を幸運にも手に入れるか、もしく状態のよいM3などのスピネットから移植するしかないです。あと一つある手段はアメリカに一社このフェルトを張り替えてくれる業者がいますが、時間とコスト、手間がかなりかかります。 

幸いこのA100は汚いですが、あまり弾かれなかったようで、このキーコンブの状態はとても良いです。なので爪の下にあるフェルトを掃除して裏返しに装着すればまだまだ新品のような感覚になります。 

それとコントロールパネルを開けて掃除と接点に接点復活剤のDeoxitの散布。コントロールパネルのカバーは塗装をしました。これによってショートの原因になるハモンドヘアーと呼ばれるウィスカーが発生しなくなります。