土田晴信のブログ (Hal Tsuchida's Blog)

ベルリンのZig Zag Jazz Clubのライブ (12月22日) 

ベルリンのZig Zag Jazz Clubで演奏でした。ドイツに住んでいた時に一番お世話になった二人の友達であるTorsten GoodsとTobias Backhausのトリオでした。実はこのクラブの二階に改造されたハモンドB3とレスリーがあったので、それではそれを使おうということになり、みんなで必死に細い階段を通って運び、ステージにセッティングしました。それでいざ試してみると不具合が。この段階でもうクラブは開場時間になり、結局すぐさま片付けて自分のオルガンをセッティングしました。サウンドチェックも一切できないまま本番の演奏となりましたが、ドイツにいたときはよく一緒に演奏していたので、その後はスムーズに。沢山のお客さんの中で楽しい二年ぶりの再会の演奏となりました。いつかドイツでツアーできたらいいなと思います。

 

ベルリンのBadenscher Hofのライブ (12月20日) 

ベルリンで大変お世話になっていたBadenscher Hofで演奏でした。今回初めて共演したWill Jacobsはシカゴ出身ということでシカゴの話で盛り上がりました。ドラムのAkira Nakamuraさんも初めての共演で同い年ということもありすぐに意気投合しました。演奏もなんだかシカゴブルースの感じを思い出させるような楽しい演奏でした。 

そしてベルリンから引っ越した二年前と変わらずBadenscher Hofのみんなも元気で再会できてとても嬉しかったです。演奏後はしばしみんなと談笑。濃厚な二日目のベルリンでした。

 

私の師匠Willie Pickensが言ってくれたこと 

先日私のジャズピアノの師だったWillie Pickensが亡くなった知らせを聞きました。ノーザンイリノイ大学でジャズピアノを専攻していた時に本当にたくさんのことを教えてくれました。音楽のこと以外にも人生やその他についても多くのことを語ってくれました。 

最近では私を慕ってくれる後輩や同年代のミュージシャンがいるので彼が言った素晴らしいこと事を書きたいと思います。当時私は大学では他のピアニストの学生よりもジャズを始めたのが遅かったため練習しても追いつかないような感じがしていて才能の差も感じて落ち込んでいました。そんな話をすると彼は、 

「どこに行っても自分より上手いプレーヤーはいる。だからまずは心を落ち着かせて自分のできることを続けなさい。自分のスタイルがあれば、競争はなくなる。だから、自分の好きなものを追求して自分のスタイルを確立するように努力を続けなさい。」 

と言いました。今でもこの言葉を常に思って続けています。そして教えるときは悩んでいる後輩にも言ったりします。 

日本ではなぜかすぐに人と比較する傾向にある気がします。受験勉強などで小さいころから人と比べられ、そしてコンペティションなんかも大好きで、よく誰がどうとか比べる傾向ですよね。それで自分が焦って落ち込んだりしますよね。でも人と比べるのはナンセンスなんだと思います。残念ながら生まれ持った能力の差はあるので、身体的に速く動いたり、すぐ吸収できたり、感覚的にできたりと多くの差はあると思います。しかし音楽はスポーツと違い競争ではないと思います。スポーツのように勝ち負けではありませんから。 

そんな訳で師匠が言ってくれた言葉を今でも思って続けています。自分のスタイルがあれば競争ではなくなると。あとはそれを好んでくれる人・そうでない人は他の人なので、自分のできることを追求するが大事という事。おそらく彼がこう助言してくれなかったら今日まで続けていなくて演奏するのをやめていたでしょうね。それぐらい自分にとっての重みのある救いの言葉でした。 

競争ではないと。 

そして彼は本当に謙虚でした。レッスンでも生徒が自分より何かうまくできるとそれはどうやってやるのかと質問していました。私もBarry Harrisから習ったビバップのアドリブ方法を駆使して当時はビバップを研究していた時にどうやってそうやってアドリブのラインを作るのかと質問されたのを覚えています。とても謙虚な人だなと思いました。そして一生勉強でこれからもっと上手くなりたいという姿勢が伝わってきました。彼は当時72歳ぐらいでした。 

PS. 今日はそんなことを思い出しながら彼の演奏(昔日本から発売された2枚のアルバム)を聞いています。このアルバムは以前の火事で無事でした。他のアルバム同様に水はかかってしまいましたが。

野毛Junkのライブ (12月6日) 

野毛Junkにお越し下さいました皆様、どうもありがとうございました。ミュージシャンの友人も遊びに来てくださり、さらに楽しいライブとなりました。ギターの小暮哲也さん、ドラムの二本松義史さんとのトリオでした。 

写真がないので動画です。最近ビデオ系のガジェットにはまっています。

Viscount Legendのアップデート 

今使っているViscount Legendのオルガンのアップデートをリリース前に最終審査してほしいとメーカーから依頼がありました。まだまだ改良できる箇所がありましたので、それから一週間以上メーカーとメール、ビデオメッセージ、電話とたくさんのやり取りをして一段落つくまで良い感じに仕上がったので本日アップデートがリリースされました。自宅のB3やその他サンプル音源でとってある他のB3やA100などの音源とこの最新のアップデートを比較して仕上げていったので、ほとんど普通の人が聞いても違う個体のビンテージというぐらいの音まで仕上がりました。こうやっていろいろとメーカーが頼ってきてくれて、それに協力できることは嬉しいです。そして何より良い音のオルガンでライブできるのはさらに嬉しいです。 

というわけで、今回のリリースと同時に私が製作したビデオを公開しました。最初は自宅のB3とLegendをレスリー122を通して比較、そのあとは両方からラインをとって比較しました。最初にブラインドテストを作りましたが、違いがわかりますか?ほとんどの人がおそらくわからない、もしくは両方ともビンテージだと感じるのではないでしょうか。しかもビンテージのハモンドオルガンは微妙に一台一台音が違うのです。今日のライブから本格的に使いたいと思います。

大学でジャズ史の講義 

大学で一般教養としてジャズ史を教えるようになってもうすぐ2年目が終わります。単にパワーポイント使い、音源を聞かせるというだけではよくあるクラスでつまらないので、ビデオなども見せたりします。しかしそれも誰でもできるので、弾きながら説明して一味違うようにしています。時には履修生が楽器を演奏するようであれば、音楽的にも深い説明、たとえばTake Fiveだったら5/4でどのようにしたら5拍子をとらえたら良いかとか、ジャズとラテン音楽は混ざったりという関係があって、ではラテン音楽はブラジリアン、アフロキューバン、その他カリプソ、レゲエなども弾きながら説明します。(これはシカゴでブラジリアンバンドとアフロキューバンバンドでピアノで演奏していたのが役にたってます。)ブルース、ブギウギといった説明は弾きながらして、スイング時代とは密接な関係があって、それからブギウギはR&Bやロックンロールに変化していきと説明して、ロックンロールピアノを弾いたりします。(でもピアノは足で弾きませんよ。) 

そんな感じで今日はハードバップ時代だったので、Jimmy Smithの説明とともにどうやって彼は演奏していたかとデモ演奏しながらオルガンを弾きました。講義する時代の中で一番好きな時でもあります。 

ただ残念ながらそれでも寝る学生、来ない学生はいるものです。幸いJimmy Smithの説明の時には寝る履修生はいませんが。もったいないです。アメリカやヨーロッパの大学生は講義で寝ません。さぼる事もほとんどありません。良くない授業は学費返せというぐらいなんです。だから日本の高等教育も受験中心ではなく、変革が必要だなと思います。

話は反れましたが、少しでも若い人がジャズファンになってくれればと思いこのクラスを教えています。そうでないとヨーロッパのようにもっともっとジャズシーンが悪くなり、ジャズと一般聴衆の差がさらに大きくなってしまうと思います。少しでもジャズに興味を持ってくれればと願い講義しています。

Viscount Soloのハードケース 

新しい一段鍵盤のオルガンであるViscount Soloのカスタムハードケースを有本ケースさんに依頼するために自宅に伺いました。以前も二段鍵盤、一段鍵盤、足鍵盤のハードケースを作ってもらいました。バルカナイズドファイバーと言う素材(いわゆるドラマーがスタンドなどを入れるよく見るケース)なので、軽くて頑丈なので飛行機で運ぶ時に重宝します。 

実は日本でこのケースを作れるのは有本さんともう一社しかなく、海外も作っている会社はほとんどないのです。なので知られてはいませんが日本の職人技術でもあります。 

オルガンは現地調達するのが難しく、海外の場合は送るのが大変でコストもかかります。ということでスタンド、ベンチ、アンプは現地調達して、オルガン本体と小物機材は持っていく場合がほとんどです。それでも重量制限の23kg、三辺の合計203cmを超えないようにするのも大変です。超えても超過料金払えば済むのですが結構高いです。 

12月にドイツのベルリンで二本ほど演奏するので以前のように二弾鍵盤を持って行くことを考えているのですが、かなり大変なので今後アメリカやヨーロッパ以外、アジアの国でも演奏する際(これは今後の目標の一つ)にも気軽に持っていける新しい一段鍵盤のケースを作っておけば良いかなと思いました。二弾鍵盤に比べると奏法などで妥協することがありますが、普通に演奏はできます。 

カスタムハードケースをお探し場合は有本ケースさんおすすめです。 

yupon-japan.com/index.html

PS. そして完成してドイツに持っていきました。

 

ブルースオルガン 

オルガンに向かってブルース弾いて一日スタートすることがあります。僕はブルースピアニストとして活動し始めたのが最初でそれでシカゴに行って、アメリカ各地をサポートとしてツアー(一番大変だったのではオレゴン州ポートランドからシカゴまで3400kmをバンドメンバー交代でノンストップで運転して帰ってきたことでした!)、その後にジャズを本格的に演奏するようになったのですが、ジャズを演奏するにしてもブルースは大切だと僕は思っています。日本はどうか知りませんが、残念ながらアメリカの大学でジャズを勉強している学生はブルースが12小節の簡単な音楽だと思っている人がほとんどで、とても違和感を感じ、60年代以降のジャズしか聞かない(つまりビバップもスイングも聞かない)学生が多かったです。でもブルースを演奏するのはシンプルですが難しいです。いかにあのサウンドや雰囲気を表現するかとか考えると深くてジャズやその他の音楽同様に難しいと思います。もう15年以上前にウイントンマルサリスのワークショップが僕の通っていた大学であって、話す機会があった時になぜ最近の大学のジャズ科はブルースを軽視するのかって質問をしたら、それはあってはならないことと話をしていたのを思い出します。 

コード進行もシンプルで、歌い方やフレージングもペンタトニック中心、それでいてカッコよくというのはジャズなどコード進行もいろいろあって、歌い方やフレージングも多様というのと全く逆でそれはそれで難しいと思います。最近自分がスタートした原点に戻ってピアニストのJohnnie Johnson, Otis Spann, Johnny Jones, Dr. John, Professor Longhairなどリストが続くのですが、いろいろと聞いています。それこそ18歳から20歳すぎごろは特にシカゴブルースピアノをコピーしまくっていたのですが、今聞くと細部までコピーできていなかったんだなと思ったりします。 

ジャズ演奏するようになってピアニストとして活動するようになって、後にオルガンに転向して黒人街で毎週演奏していましたが、そこではジャズやブルースをジャンル分けせずに普通に演奏していました。それだけ昔の黒人ミュージシャンやお客さんにとって自然な事でジャンル分けするのはナンセンスな事なんだなと思いました。 

まあそんなわけでオルガンでもブルースをと思っています。でも知っている人は知っていると思いますが、ブルースの鍵盤楽器ってピアノが主流なんです。オルガンがバンドに入っていても(例えばBB Kingなんかよくオルガン使っていましたね)、オルガンは後ろでコロコロと転がったピアノのように弾くことはないので、アプローチも全く違うんです。そしてベースがいることがほとんどなので、オルガンがジャズのようにベースを弾くことがないんです。だからある意味あまりないような感じでオルガンがジャズのようにベースを弾きながらブルース弾くのは新たな感じになるかななんて思いながら難しいですがやっています。

ということでちょっとしたブルースの話でした。

 

グルーヴについて考える 

グルーヴ・・・。音楽をやっている人にとってはとても深い言葉だと思います。(ここでのグルーヴはリズムパターンとかそういう事ではなくグルーヴする演奏という事です。) 

この言葉を意識するようになったのは特にシカゴで活動していた時で、ブルースであろうとジャズであろうとその他の音楽であろうと一番ミュージシャンが大切にしていた事でした。テクニックがあるだの、難しいことができるだの、そんなことよりあの奏者はグルーヴするかしないかっていう事がみんなにとってとても大事でした。だからジャズシーンでよく言われていたのは彼・彼女の演奏はスイングするよねとかハードにスイングするよねっていう事が誉め言葉(ここでのスイングっていうのは4ビートやシャッフルなどでグルーヴするという意味)で、それが何よりも一番大事なことでした。(残念ながら僕はニューヨークのシーンはよく知りませんが、ニューヨーク以外にもシカゴやニューオリンズなどのその他いくつかの都市のジャズシーンも大きいのです。) 

もう10年以上も前にドラマーのHarold Jonesと一緒に演奏した時はほんとにグルーヴしていて、一拍が本当に長かったです。一拍一拍がお腹にボディーブローを受けているみたいで、あれは強烈でした。そして、サックスのPhil Woodsと演奏した時も一人で吹いていてあれだけグルーヴするのは凄いなと思いました。(余談ですが、よく管楽器とかその他はリズムセクションではうわものとかいう人いますが、個人的にこの考え方は好きではありません。やはりなんであろうと個人個人グルーヴするのが大事だと僕は思っています。あくまでも個人的な意見なので気分を損なわないようにお願いします。) 

そして10年以上前にオルガンのTony MonacoやChris Foremanにレッスンを受けるようになったのですが、もうほんと彼らが弾いた後に自分が弾くとなんて細いビート感なんだろう。なんてグルーヴしていないんだろうと痛感しました。 

それから試行錯誤して彼らのようにグルーヴするにはどうしたらいいのだろうかとか考えるようになりました。あと自分の好きなオルガニスト、Jimmy Smith, Jimmy McGriff, Jack McDuff, Don Patterson, Charles Earland, Don Patterson, Big John Patton, Dr. Lonnie Smithなどなどその他のプレイヤーはどのようにグルーヴしているのかと特に考えるようになりました。ベースだったらRay Brown, Andrew Simpkins, Bob Cranshaw, Paul Chambers, Duck Dunn, James Jamersonなどなど挙げたらきりがないですね。その他ピアノだったらGene Harrisとか他にもたくさんいます。ドラムだったら・・・とリストが終わらないので別の機会にでも。 

それで何となくわかってきたのですが、個人個人の身体的能力の違い、感覚の違いなど一人ひとり違うので、グルーヴしているけど感覚というか個々に違いがあると思います。でもグルーヴしているという枠組みの中です。みんなグルーヴしているのだけれど、サウンドが違う、スタイルや個性があるのと同じようにグルーヴ感も個人個人違うという感じでしょうか。 

以前Tony Monacoの左手ベースの弾き方とか真似てずっとやっていて本人にもそこまでコピーしているのはハルしかいないとか言ってくれていたのですが、でも彼のようにグルーヴしませんでした。足鍵盤のタッピングのビートの位置も彼のようにやっていましたが、彼のようにはならないんです。やはり身体的にも感覚的にも違うため同じやり方をやっても必ずしもそうならないのだと何年もたって気が付いたわけです。それでChris Foremanのように真似ようと思ったのですが、またそれもあの感じと同じにはならないのでした。フレーズなどはコピーできても全く同じような感覚で弾くのは個々に差があるので、同じにならないという事でしょうか。 

それでリサーチの日々が続き(現在進行形でもう何年も)いろいろな人を参考にして実際のビデオを見たり採譜したりして、それを弾いて聞き比べてみて”あの感じ”にいかに近づけるというか、あの感じの範囲内になるというかという試行錯誤の日々であります。オルガンって両手両足、足鍵盤と3つあってタイム感も別々にすることできるんです。ドラマーもそうですよね。

ここ数週間時間があったので、とにかくひたすら過去のTonyやChris, はたまたJack McDuff, Joey DeFrancesco, Larry Goldings, Jimmy Fosterなどなどいろいろなレッスンやワークショップのビデオを見て、自分の演奏をビデオ撮影して比べてとやっていましたが本当に奥が深いです。あの黒いグルーヴ感はどうなっているんだろうとずっと考えています。ただこれらのビデオとか音源でわかったのですが、やっぱり一人ひとりグルーヴ感やリズム感の違いがあります。でもやっぱりグルーヴしているから、自分にあったものをいろいろな人から吸収してみて自分の演奏を録音して聞いてみてどう感じるか考えることでしょう。最近になってほんの少しわかってきたというか自分に適した感じに気が付いたような気がします。数日前の発見なんですが・・・。それを実践で無意識レベルでするのには時間がかかるんですね。 

とまあ深夜の呟きでした。生前にJimmy McGriffが言っていましたね。ライブでお客さんが自然と足踏みしたり、肩を揺らし始めたらそのライブは勝ちだって。黒人街で演奏するとジャズであろうと踊る人がいるんです。むしろそれが真のあの黒人クラブの雰囲気で、シカゴの黒人街でレギュラーで演奏するようになってすぐに年配のお客さんに今日はダンスシューズ履いているから躍らせてくれるよなって言われたのを今でも覚えています。それぐらいやっぱり大事なことだと僕は思っています。 

グルーヴ、グルーヴ感、長い長い道のりです。これからも続くでしょう・・・。

Viscount KeyB Legend Soloの動画 

メーカーに頼まれていませんが、お世話になっているので新製品Viscount Legend Soloのちょっとしたビデオを作りました。しかも深夜2時すぎの静けさの中で行いました。海外のオルガン関係のフォーラムで多くの人の要望があったので思い立ってすぐ行動しました。一発撮りのちょっとした編集でセッティング含め30分ほどだったので、少々アングル的にはうまく全体が撮れませんでしたが、まあ参考のためには良いという事にしましょう。ちなみにレスリーシュミレーターは外部のMini Vent for Organでハーフムーンスイッチが使えるように改造したものを使い、Midi Solutionでサイスティンペダルを使い、足鍵盤の一つの音を鳴らせるようにMidiの信号に変換しています。これで足鍵盤のタッピングが使えるようになります。音がかなり良い感じだと思います。

Viscount KeyB Legend Soloが届く 

今回は一段鍵盤のKeyB Legend SoloがViscount社から届きました。二段鍵盤がセッティングできないスペースがあまりない場所で演奏することがあるので活躍してくれそうです。音はLegendのオルガンと同じで操作性も一段鍵盤ですが容易です。9.5kgとかなり軽量なので運びやすいです。

 

 

先日のサムタイムのライブ動画 

結構ガジェットに凝ったりしていて、近距離で広角で良い音質で撮れるものを試したりしてます。動画編集ソフトを使うのですが、映像のノイズがあってもなかなか除去できないんですが、今回プラグインのソフトを使い除去したらかなりきれいになりました。映像はカメラの性能によるものが大きいのですが、編集ソフトとノイズ除去のプラグインで結構良くなるのだなと思いました。今回発見したことでした。ちなみにZoom Q4nを使いました。音はCDのレートで撮れるので良いと思います。 

というわけで、昨日のライブを動画の1曲をアップしました。Will You Still Love Me Tomorrowという曲で僕の好きなオルガニストの一人であるCharles Earlandのトリビュートです。シカゴで活動していた時は彼の元メンバーとよく演奏していたので思い出します。バンドも少しずつバンドらしい良い感じになってきました。

吉祥寺サムタイムのライブ (10月18日) 

幸い雨は降りませんでしたが、寒い中、本日のサムタイムのライブにお越し下さいましたお客様や友人の方々に感謝しております。どうもありがとうございました。皆さんのおかげで楽しいライブとなりました。ギターの小暮哲也さん、ドラムの二本松義史さんとのメンバーで着々とバンドの一体感が増してきました。今後もいろいろと楽しみです。

 

横濱ジャズプロムナード (10月8日) 

横濱ジャズプロムナードにお越し下さいました皆様に感謝しております。どうもありがとうございました。沢山のお客様に来て頂き嬉しく思います。関係者の皆様、スタッフの皆様、ボランティアの皆様、大変お世話になりました。ありがとうございました。また横浜出身でこのような素晴らしい地元のジャズフェスティバルで演奏できて嬉しかったです。写真はサウンドチェック後で素晴らしいステージでした。

Hub浅草のライブ (9月27日) 

Hub浅草のライブにお越し下さいました友人やお客様の皆様、どうもありがとうございました。テナーサックスの中村誠一さん、ギターの小暮哲也さん、ドラムの二本松義史さんと共にお陰様で楽しいライブとなりました。

 

新潟3日間のライブ&セッション (9月22~24日) 

新潟のライブやセッションにお越し下さいました皆様に感謝です。ありがとうございました。今回も多くの方々にお世話になりました。ほんの数日でしたが大変充実した時間となりました。 

PS. フラワーポップにあったビンテージのA-143の中を開けてパーカッションとトーンコントロールを調節し、中身の状態などをみて製造年を調べるというマニアックなことにわくわくしていた自分でした。最近はビンテージのハモンドを触るとどの箇所が悪いか、修理したほうが良いか大まかにわかるようになりました。やっぱりビンテージのハモンドの状態は個体差がありますがいいですね。

 

Leslie 2101mk2改造とその他機材 

レスリースピーカーの回転するホーンは現行もの(ハモンドスズキが生産している)とビンテージものは違うのです。ベルトを付けて回る部分の大きさは同じ、ねじで取り付ける位置も同じなのです。オイルを注す穴の場所も同じです。しかし、ホーンの付け根の太さと穴の大きさが違うのです。これによって若干音が変わります。ビンテージのは音を通過する穴が大きいので少しミッドレンジに厚み(といっても800Hz以上ですが)があります。ほんの微妙な違いですが・・・。 

ということで、現行のレスリー2101mk2にビンテージのホーンを取り付けました。ビンテージのホーンはもう生産されていないのでかなり貴重なんです。これによって少し音が良い意味で変わりました。根元にはコットンのフィルターを付けて本来のビンテージレスリーの出荷時のようにしました。真空管もいろいろと試し、マイクロフォニックではない状態の良いビンテージの真空管を選び、抵抗を調節し完了しました。 

残念なことにこのホーンドライバーはメーカーがビンテージのJensen V21に周波数特性が近いと言っておりますが、高音の2khzあたりからそれより上が鋭い耳につくような音であり、どうしようもありません。それだけビンテージのホーンドライバーが良いという事なのですが、このことで悩んでいて試行錯誤していた訳ですが、ノルウェーのハモンドオルガン・レスリーの修理技師の友人がホーンドライバーのケースの45度になっている部分に8mmぐらいの穴を2つか3つ開けてフェルトで蓋をする(これは埃やごみが入らないようにするため)と高音が滑らかになるという事を教えてくれました。本来は振動板にもあまりよくないのですが、この鋭い違和感がある音をなくすために改造してみました。するとかなり高音が滑らかになり鋭い音が弱まり、よりビンテージの音に近くなりました。ここまでの改造をする人はそうそういるとは思いませんが、より良い音になったのには満足です。

あと最近ではデジタルオルガンではどうしても再現できないビンテージハモンドオルガンのプリアンプAO-28の微量の歪み・暖かい音を再現するためにアメリカのオルガンプレーヤーの間で話題になっているエフェクター Tall & Fat を使い始めました。調節は自宅のB3と音量を合わせてから微妙に歪み具合をヘッドフォンで聞きながら近づけていくという感じで調節しました。ほんの微妙な差ですが、真空管やこのMOSFETの回路を通すことにより、奇数次高調波歪みを打ち消し偶数次高調波歪みを強調するように働くので豊かな音に感じられます。これによってライブで使う機材がより良い音でビンテージに近くなったのではと思います。おそらく多くの人がこの機材とビンテージを聞き分けられないでしょう。ビンテージも個体差があるので、状態が良くなければ今のライブの機材の方がおそらく良いかなと思います。

 

 

 

Nuno Jazz Festaで演奏 (9月9日) 

Nuno Jazz Festaにお越し下さいました皆様、ありがとうございました。幸い天候にも恵まれました一日でした。また関係者の皆様方、お世話になりました。どうもありがとうございました。ギターは小暮哲也さん、ドラムは二本松義史君。残念ながら今年でこの沼袋の氷川神社でのステージが最後だそうです。地域密着型の盛り上がっていたジャズフェスだったので残念です。これからも違う形で継続との事ですので、応援しております。

 

 

野毛ジャンクのライブ (8月30日) 

野毛ジャンクにお越し下さいました皆様、ありがとうございました。ギターは小暮哲也さん、ドラムは二本松義史君でした。友人であり師のトニーモナコが遊びに来てくれたので数曲飛び入りで演奏してもらいました。その時は私はピアノで共演。とても盛り上がったあっという間のライブでした。終わった後はトニーと沢山話をしました。なかなかこんな機会が滅多にない1日でした。

 

 

ビンテージハモンドオルガンのあまり知られていない重要なこと 

オルガン奏者の友人である山口さんのお宅にお邪魔して、大変お世話になっているハモンドオルガンやレスリー、その他などの修理技師である巨匠、ハッチ工房の山本さんの修理を見学に伺いました。 

なぜ見学に行ったのかというと、とても大変で興味深い工程が見られたからです。今から書くことはとても大事なことで、実は多くの日本のハモンドオルガン奏者や関係者は知りません。業者も知らない人が多いです。そして知っている業者はこの情報を隠すこともあるので、私がこのことを書くことをおそらく好まないでしょう。しかし、とても大事なことなので書きます。 

ハモンドのB3, C3, A100, RT3などいわゆる人気のモデルは製造年の期間が同じではありませんが、基本的に1955年ぐらいから75年あたりまでと言われています。中身の材質、職人の質、その他いろいろな変更が行われましたが、64年が大きな境目だと私は思います。 

それは、鍵盤裏の内部の一番奥にとても多くの髪の毛ぐらい細い抵抗線があるのですが、これを覆っているものが64年あたりに材質が変わりました。フォームに変わった(2枚目の写真でよく見えます)のですが、これが実は経年劣化で酸化して、酷いとこの抵抗線を切ってしまいます。この抵抗線が断線すると音が出なくなります。そしてそれを修復するにはとても大変です。というのも、まずは鍵盤の部分を外し、それから内部を開けていき、どの程度の状態かを見て、そして対策をします。この状況を見るには全部開けるしかなく、そこまでの作業工程がとても大変で時間がかかります。幸いにもこの山口さんの70年代製のオルガンのフォームはボロボロで粘々としているわけでなく、また酸化して抵抗線を断線させていない状況だったので、きれいに除去することとなりました。それでもこの修理はだいたい3・4日ぐらいかかるようです。鍵盤のアセンブリーをすべてオルガン本体から出して机の上で作業すればもう少し時間はかかりませんが、かなりのスペースが必要です。ちなみに酸化して断線してしまった場合はつなぎ合わせるのが大変で、またそれが何本も断線してしまうととても大変です。 

ですが、これはオルガン一台一台状況が異なります。つまり、ある意味では不発弾のような状況と言えるかもしれません。もしかしたら断線して音が鳴らなくなるかもしれない、ダストのようにボロボロで害を及ぼさないかもしれないなど。64年以降のハモンドB3, C3, A100, その他同じ構造のオルガンはこのリスクがあります。 

ということで、64年以降のハモンドB3などを所有している方、もしくは購入を考えている方はこの点を知っておいた方が良いと思います。過去に除去していない場合は必ずこのリスクがつきまといます。 除去してしまえば安心できます。

ちなみに64年以前のものはフェルトで覆っているので、このフォームで抵抗線が断線するリスクはないです。確かに64年以前のものはこのフォームの問題はありませんが、コンデンサーがワックスコンデンサーであるため、トーンジェネレーター、プリアンプ、ビブラートライン等のコンデンサーは劣化をしており、本来の音ではなかったりします。私のB3はこれらのコンデンサーと抵抗を交換しましたが、この作業も大変です。64年以降のものはワックスコンデンサーではないので、経年劣化はあまりなく、交換する必要もあまりないです。64年以前・以後のどちらも良い点や悪い点がありますが、しっかりとメンテナンスすればとても良い状態になります。私の意見ですが、本来業者や個人が高額な値段で売却する場合はどちらのオルガンにしてもしっかりと整備すべきだと思います。アメリカのきちんとした業者は整備して売却するので、高額であるのも納得できますが、残念ながらそうではない場合を日本ではよく見ます。