ハモンドオルガンとレスリーの修理 5

ハモンドオルガンの修理に力を入れてる日々が続いています。今までの自分で修理したことを修理技師であるハッチ工房の山本さんにレポートしたところ、今までここまで自分でやった人はいないらしく、素晴らしいとお褒めの言葉をもらいました。プロの方に褒めてもらうのは大変嬉しいです。モチベーション上がります。 

そんなわけでビブラート・コーラスの心臓部であるビブラートスキャナーの修理が完成し、なくなっていたオイル差しの皿も中古で買って付けて、オイルが伝わる糸もうまく付け直しました。その後はマッチングトランスフォーマーのケースが粉を吹いていて悪さするので、その除去掃除。その他の場所も同様に行いました。 

そしてできるかどうか不安だったプリアンプのコンデンサーとレジスターの交換をしました。コンデンサーはワックス紙を使用しているので経年劣化し、問題を起こします。また、ブロックコンデンサーも経年劣化するのでそれらすべて交換しました。 

これもかなり難易度が高かったです。ワイヤーにははんだ付けされているのですが、そのワイヤーが接合部に巻き付けてあり、その上にはんだ付けされているので、切り離すのがとても大変でした。下手に長くやると今度はワイヤー包んでいる周りのものが溶けてくるので慎重にやっていてもなかなか簡単にはいきませんでした。 

このパーツは奥にあり、その周りにも他のワイヤーが複雑に絡んでいる場合だなと思ったものはワイヤーを切断しワイヤーとワイヤーを接合して部品交換しました。おかげではんだ付けも慣れて上達したので自信がもてました。それにしてもこの作業も慎重に行わなければならない作業で時間もかなりかかりました。 

今回の作業は修理マニュアルには一切載っていないので、交換セットを買ったお店(Tonewheel General Hospital)の資料を参考にして、あとはハモンド修理技師が集まるFacebookのグループで質問したら多くの人が親切にアドバイスをくれました。本当に助かりました。ただし、電子回路で専門的なことになると勉強不足なのでわからないことがあります。回路図もしかり、その他詳しいことになるとお手上げ(こういう時は高校の数学を覚えていればなと思うことが多々あります)なのでちょっとずつ勉強しようと思います。 

もう少しで山本さんが来るのでオルガンが一段落弾けるところまで修理完了しそうです。楽しみです。 

いま友人の一人がその方のB3に問題があるようで、ちょっと困っていますが、関東に山本さん、関西方面にもう一人の方がいるぐらいで容易にすぐに直せないそうです。日本においてビンテージのハモンドを修理できる若い技師はいないので今後はどうなるかと心配になります。パーツも日本では容易に手に入らないですし、今後現行のデジタルのものに代わってしまうのでしょう。しかし残念ながらその寿命は10年から15年でパーツが手に入らなくなったり、メーカーのサポートも終わります。僕のB3は58年製なので58歳なわけですが、デジタルはそんなに長持ちはしないでしょう。ちなみに今回外した部品は当然50年以上も前のものなので、見ただけでも古さが伝わってきます。